恋と、涙と、先輩と
だから、あっくんはわたしのことはなんとも思っていない。

わたしの一方的な片想いだとずっと思っていた。


だからこそ、そんな話を聞かされたら…うれしさが半分。

残りの半分は、本当かどうかがわからないからまだ疑っている。


「みくりちゃん、喜ばないの?敦くんのこと、好きだったんだよね?」

「それは…そうなんだけど」

「もうすぐしたら夏祭りもあるし、最近カップル多いじゃん?敦くんも、それまでにみくりちゃんに告白しようと思ってるんじゃないかな!?」


あっくんが、わたしに――。


浴衣を着たわたしとあっくん。

手を繋ぎながら、出店を見て回る姿を思い浮かべていた。


地元では、毎年7月15日に夏祭りがある。

夏休み前にあるお祭りで、カップルたちにとってはクリスマスの次に盛り上がる季節。
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