恋と、涙と、先輩と
そういえば、竹内先輩に会ったとき――。
『オレは、仲のいい幼なじみときてて』
まるで竹内先輩に見せつけるかのように、わたしの肩を抱き寄せたあっくん。
夏祭りをまわっている最中もだれかを探しているようだったし、竹内先輩を見つけたら自ら歩み寄って変だなとは思っていたけど…。
…わたしはただあっくんに利用されていただけ。
いっしょに夏祭りに行けてうれしいと思っていたのは、わたしだけだったんだ。
「藍原と別れたあとも、1人で未来の様子を見にきてたらしいじゃん」
図星なのか、あっくんはなにも言えずに唇を噛む。
たしかに夏祭りからいっしょに帰ろうとしたとき、あっくんは引き返した。
『ごめん、みくり。オレ、思い出したことがあるから戻るわ』
と言って。
本当は、振られても諦めきれない竹内先輩のことを追いかけていた。
『オレは、仲のいい幼なじみときてて』
まるで竹内先輩に見せつけるかのように、わたしの肩を抱き寄せたあっくん。
夏祭りをまわっている最中もだれかを探しているようだったし、竹内先輩を見つけたら自ら歩み寄って変だなとは思っていたけど…。
…わたしはただあっくんに利用されていただけ。
いっしょに夏祭りに行けてうれしいと思っていたのは、わたしだけだったんだ。
「藍原と別れたあとも、1人で未来の様子を見にきてたらしいじゃん」
図星なのか、あっくんはなにも言えずに唇を噛む。
たしかに夏祭りからいっしょに帰ろうとしたとき、あっくんは引き返した。
『ごめん、みくり。オレ、思い出したことがあるから戻るわ』
と言って。
本当は、振られても諦めきれない竹内先輩のことを追いかけていた。