Close to you
──私はこのグループについて調べます。
愛弓様は、弟ともども関わることのないようにお願いいたします。
手紙はそう締めくくられていた。
(なにこれ、私の平穏な人生がかかってるのに)
イラッとしたのもつかの間、“手紙”というのは良い方法なんじゃないかと閃いた。
顔を合わせなくてもいい。一方通行で済ませられる。必要なものも紙とペンで事足りる。
(でもなんて書こう)
お久しぶりです?
……そりゃ顔も合わせてないけど、一緒に暮らしているのにそれはない。
まーちゃんへ?
……今さら昔の呼び方して、逆に不自然すぎる。
真弓へ?
……うん、奇をてらうよりもこっちのほうが誠実な気がする。
そうだ、誠実そうな感じを前面に出して説得しよう。
とにかく“あなたを心配している”という思いを書かないと。長くもなく、短くもない、ちょうどいい長さの手紙にして──