Close to you
ベッドに入ってからは、頭から毛布をかぶってスマートフォンの灯りを頼りに手紙を書いた。
お母さんが、私がちゃんと眠っているかを確認しにくるからだ。
部屋のなかまでは入ってこないから、毛布をかぶってじっとしていれば、そのままドアを閉めていってくれる。
手紙を書くのはキツいけど、たった一枚だけだからそこまで大変じゃない。
キツいのは、考えないといけない文面だ。
さて、どう書いたものか。
奥野くんや私が心配していることは書くとして、お祖母ちゃんが今の真弓を見たらどう思うか、を軸にしたほうがいいかもしれない。
真弓は、お祖母ちゃんを悲しませるようなことはきっとしない。
真っ暗なベッドのなかでうんうん考えて、短くなった鉛筆をにぎる。
──真弓へ
奥野くんから、西校の良くないグループと付き合ってると聞きました。私も心配しています。
お祖母ちゃんも、生きていたらきっと真弓を心配したでしょう。
真弓、お願いだから、お祖母ちゃんを悲しませるようなことだけはやめてください。
愛弓