世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「双葉さんって、苗字は?」


まさか……嘘でしょ?
別人だよね?


「確か、松雪さんだったわね。綺麗な名前だから覚えてたの。でも、1回きりで連絡がないまま辞めちゃって。あんな可愛くて良い子なかなかいないのにね」


「そんなんですか……へえ、松雪ね……」


双葉もこのスイミングスクールに来てたなんて。
理仁さんや涼平先生とも知り合いだったんだね。「灯り」で出会ったただの知り合いみたいに言ってたけど。しかも、こんなおばさん達にまで気に入られて。


「そうね、松雪 双葉ちゃんだったわね。ほんとにどうしちゃったのかしらね。私、2人が恋人同士になったら、涼平先生を諦めてもいいと思ってたのに」


「いやだ、諦める前に相手にもされてないわよ~」


「あらやだ、そりゃそうね」


ああ、最低。
おばさん達のバカな笑い声、嫌いだわ~。
涼平先生の目がキラキラしてたって?
そんなのただの気のせいでしょ?
でも、何だかすごく腹立たしい。


私は、この嫌なおばさん達から早く逃げ出したくて、急いで着替えを済ませ、さっさとスクールをあとにした。
< 107 / 192 >

この作品をシェア

pagetop