世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「もみじたん。どこ行くの?」


結仁を連れ出した――


双葉が用事で出かけるからって、朱里に結仁の面倒を見させてた。相変わらず子育てを放棄する女だ。


私は、スーパーに買い物に来て、一瞬、お菓子売り場で1人になったところに近寄った。
「朱里ちゃんは帰って、ママが来てるよ」って言ったら結仁は簡単に着いてきた。


手を繋いで店を出たけど、特にゆくあてはない。


「結仁。お腹空いてない?」


「ねえ、ママは? ママはどこ? 結仁、ママとご飯食べるから」


「……今日はね、もみじちゃんと食べようね。レストランでハンバーグがいいかな?」


「嫌だ! ママと食べる」


私の手を振り解こうとする結仁に、思わずカッとした。


「言うこと聞かないわがままな子。あなたは悪い子ね」


私の言い方が怖かったのか、結仁が泣き出した。そのせいで周りがチラチラと私を見た。でも、きっとみんな思ってる。駄々をこねる子どもと、困ってる母親だろうって。
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