世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「ゆっくり深呼吸して」


「は、はい」


私は言われるままに呼吸を整えた。
落ち着かなければ、きっと何も思い出せない。
理仁さんがいてくれるんだから大丈夫。
大丈夫……


「……あっ」


手を握ってもらった途端、頭の片隅にあった1シーンが思い出された。


「何か思いついた?」


「少し前に結仁が行きたいって言ってた遊園地があるんです」


「それは、どこにある?」


「電車で2駅先の……小さな遊園地です」


「だったらそこに行ってみよう」


「は、はい、お願いします」


「大丈夫、必ず見つかる」


力強い言葉に勇気づけられる。


私達は、涼平先生のお父様の運転で、急いでそこに向かった。


結構昔からある主に幼児向けの遊園地。
メリーゴーランドが好きな結仁と、前に1度だけ行ったことがあった。
家で、「また行きたい」と言ったのを、もみじちゃんは確かに聞いていた。
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