世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
確かに、心ではどう思ってたのかわからない。
だけど、そんなことよりも、もみじちゃんはずっと私に笑ってくれてた。いつもすぐ近くにいて私に優しい言葉をかけてくれてた。
それがどれだけ私の救いになっていたか。
そのことは、決して忘れてはいけないと思った。


「……どうしてよ。私、こんなひどいことしたのに」


「結仁に何かしようとか、怪我させる気は無かったんでしょ? 結仁の好きな場所に連れてきてくれて、遊んでくれてただけでしょ?」


「……」


その時、もみじちゃんの大きな瞳から、大粒の涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。


「その代わり、この先、二度と結仁には近づかないで。私も、もみじちゃんから離れる。ちゃんと前に進みたいから」


「……本当なら、俺も許せない。心から君のしたことを憎む。でも……双葉が考えて、決めたことなら、それに従う」


「理仁さん……。もう私、こんなことして一生幸せになんかなれない」
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