世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「今日はじゃがいもがいつもより高かったのよ。ほんと、嫌になる。どこまで物価を上げれば気が済むのかしらね。お父さんの給料じゃやってらんないわ、全く」
おばさんは思い付く限りの文句を言ってガサツに笑う。時々、この人は自分が女性であることを忘れてしまったのか──と思うことがある。
反対に、おじさんはとても寡黙で、いちいち反論せずに黙ってる。
見た目もおばさんとは対照的で、細身で小柄。白髪混じりの髪のせいで年齢よりずいぶん老けて見える。
私は、勢力図がハッキリとしているこの家で、子どもの頃から上手く笑えずにいた。だけど、もみじちゃんがいつも味方でいてくれたから、何とか平静を装えた。
「双葉ちゃん、コロッケ美味しいよね~」
「う、うん」
「あっ、そうだ。今度一緒に映画観にいこうよ。私ね、観たいのがあるんだ~」
「ダメダメ。双葉は映画なんか観てる場合じゃないよ。しっかり働いて、今月分の生活費、ちゃんと払ってもらわなきゃ」
おばさんは、大きな手で茶碗を持ち、白米を口に大量に運びながら私をにらんだ。
おばさんは思い付く限りの文句を言ってガサツに笑う。時々、この人は自分が女性であることを忘れてしまったのか──と思うことがある。
反対に、おじさんはとても寡黙で、いちいち反論せずに黙ってる。
見た目もおばさんとは対照的で、細身で小柄。白髪混じりの髪のせいで年齢よりずいぶん老けて見える。
私は、勢力図がハッキリとしているこの家で、子どもの頃から上手く笑えずにいた。だけど、もみじちゃんがいつも味方でいてくれたから、何とか平静を装えた。
「双葉ちゃん、コロッケ美味しいよね~」
「う、うん」
「あっ、そうだ。今度一緒に映画観にいこうよ。私ね、観たいのがあるんだ~」
「ダメダメ。双葉は映画なんか観てる場合じゃないよ。しっかり働いて、今月分の生活費、ちゃんと払ってもらわなきゃ」
おばさんは、大きな手で茶碗を持ち、白米を口に大量に運びながら私をにらんだ。