世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「後で持ってきます」


「本当にいつになったら一人暮らしするんだろうね。26にもなって居候だなんて」


「お母さん。だから、それは言わない約束でしょ? 双葉ちゃんと私は姉妹みたいなものなんだし、私は双葉ちゃんがいてくれなきゃ困るの」


「……すみません。私も早く……って思ってるんです」


「嫌だよ。双葉ちゃんがいなくなるなんて寂しいから。今は、詐欺にあってお金にすごく困ってるし、借金もあるんだしね。まだ出ていけないよね」


もみじちゃんの気持ちは嬉しいけど……


「なるべく早くお金を貯めます。本当にご迷惑おかけしてすみません」


「本当、あなたの母親と同じね。人に迷惑ばかりかけて」


今まで何度も言われてきた言葉。
どんなことも我慢してきたつもりだけど、いつだって、胸を針で刺すようなこの言葉だけは許せなかった。


「いったい母がどんな迷惑をかけたんですか?」


「いたこと自体が迷惑なのよ。子どもの頃からずっと上手く立ち回って、自分だけが可愛がられて。いつも私はあの人の影にいた。両親だけじゃない、みんながあなたの母親を大事にした。その仕打ち、私はずっと忘れないわ」
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