世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
私、何を考えてるの?
ほんの一部しか隠れていない国宝級の裸体。生まれて初めて見る美し過ぎる体に、嫌でも顔が赤面する。


山根さんの体は全然平気なのに。
私は、慌てて、「見ていません。全然興味ないです」の顔を必死で作り、冷静なフリをした。


「来てくれるの、待ってた」


山根さんと交替した常磐さんは、プールサイドに跪いて私を見下ろしながら言った。


「あの、すみません……厚かましく来てしまいました」


「厚かましいなんて思わなくていい。たまたま今から勤務だった。このタイミングは奇跡だな」


「き、奇跡?」


「ああ、この前、店で会ったのも奇跡だった」


「か、からかわないで下さい。簡単に『奇跡』なんて言葉は使わない方がいいですよ」


「なぜ?」


「なぜって……その、女性ならみんな勘違いするというか……なんていうか」


慣れていないやり取りに、上手く言葉が出てこない。


「俺は、ただ素直な気持ちを言ってるだけだ」


「素直って……き、奇跡なんかじゃないですよ、別に」
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