世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
もしかして「会員の女」って私のこと?
向こうで話してる2人の女性に圧倒され、思わず顔をタオルで隠した。


「理仁様が女性会員の体に触れるなんて珍しいわね。何かの間違いじゃないの?」


そ、そうなの?
でも、体というか腕だけなんだけど……


「確かに触ってたの。プールサイドから睨みつけてやったわ。見つけたら文句言ってやる」


こ、怖い。
私は、さらにタオルで顔を覆った。


「理仁様」だなんて、このスクールには常磐さんの熱狂的なファンが大勢いるのは間違いないようだ。


それにしても、常磐さんの泳ぎ……
見本を見せるためのクロールのフォームがとても美しく、息継ぎもスムーズで、スピードもかなり早い。他のインストラクターさん達もいるのに、ただひたすら常磐さんを見つめてしまう。


どうしたんだろ……
私、常磐さんのことを?


そんなはずはない。
あの事件以来、「絶対にもう誰も好きにならない」って決めたんだから。
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