世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「どうして君は自分をそこまで卑下する? つらい過去を消すことはできないのか?」


「自分の愚かさであんな目に合って……私は……」


常磐さんは、私の過去を全て話してほしいと言ってくれた。
その優しさにほだされ、まだ会って間もないこの人に、私は消せない過去を話してしまった。両親のこと、おじさんやおばさん、もみじちゃんのこと、朱里やママさんのこと、雅人のことも……何もかも全てを。


「色々大変だったな。つらかっただろう」


その一言は、私の傷口を優しく包み、胸を熱くした。


「それでも、つらい過去は新しい夢や希望で上書きできる。全部消し去って、それ以上幸せになればいい」


「……常磐さんの言葉は有り難いと思います。だけど、そんな簡単じゃないです。夢や希望を持っても、私には幸せになる権利がないように思えて」


「幸せになる権利がないなんて、どうしてそんな風に思う?」
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