世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
それからしばらくもみじちゃんは部屋に居座った。
友達ではない、家族でもない、同じ家に暮らしている「いとこ同士」という関係は……ちょっと複雑だ。


夜になってベッドに横になり、天井を見つめながら思った。
あのことがあって、もう恋愛はしないと決めた。
だけど、理仁さんへの想いを引きずったまま生きるより、新しい恋をして、私なりに前を向いて進んだ方がいいのかな?
確かに、借金返済からは逃れられないけど、仕事だけの人生もつまらない。もし身の丈にあった恋愛ができたら……


私も、少しは幸せになってもいいのかな?


それは双葉の強がりだ――
理仁さんを忘れられるわけがない!


突然、心の声が聞こえた。
慌てて振り払う。


そうだ。
理仁さんはもういないけど、またプールに通ってリフレッシュしよう。健康のため、あと、見た目も少しは綺麗になれるように。


松雪 双葉、26歳。
これからは、新しい人生を切り開いて前を向く。
過去は消せないけど、縛られたくはない。
いつまでもグジグジしてちゃいけないんだ。


こんな風に気持ちを切り替えることができたのは、きっともみじちゃんのおかげ……だね。
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