世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「……」


「理仁さんを想ってるはずなのに、あの子、あなたのために身を引いて。1日も早くお金を貯めて、大切な子どもと2人で暮らせるようにって、見ていられないくらい頑張ってて。今は一緒に住んでるいとこも子育てを手伝ってくれたり、私やお母さんも双葉を応援してるけど、本当はつらくて泣きたい時もあると思います」


「そんな……俺は何も知らずに……俺は……最低だ」


「理仁さんは悪くないです。今からでも遅くないですから、双葉のこと、どうかよろしくお願いします」


私は祈るような気持ちで深々と頭を下げた。


「……ああ、わかった。朱里ちゃん、話してくれて本当にありがとう。ここに来て良かった」


「理仁さん、双葉のことを聞きたくて来たんですよね?」


「えっ……」


「わかりますよ、その気持ち。私こそ話せて良かったです。でも、勝手に話してしまったから、双葉に怒られちゃいますね」
< 88 / 192 >

この作品をシェア

pagetop