一途で嘘つきな先輩は、私を溺愛してきます。
中を見ると異様に豪華な絨毯。


わぁ……きれ


「もぉ、湊くんたら照れないのっ…」

い、




っ……み、な……と?



高級そうな赤い絨毯を辿る。


少し怖くて、壁に隠れながら中を覗き込む。




私……何、隠れてんだろ



目の前の事実を、認めなくなかった、みたい。



「湊くん、だぁーいすきだよっ……!」


多分、美園先輩。



湊先輩の膝に乗っかって…


キス……してた。



早く帰りたい。のに衝撃で足がすくんで動かない。


やだ、やだ、やだ,




そこで美園先輩が私に気付いたみたい。



彼女は余裕そうにふっと、笑って先輩の首に手を回し頬にリップ音をたてキスをした。



そうだ。彼女は私に見せつけているんだ。



「おい、やめろよ…リップついたし」


「えーだってぇ、ちゃんと拒否しないんだもぉん
ほら、さわってよぉ」

美園先輩の手が先輩の手を引っ張り胸を触らせる。


「ひゃん」「きも…」

「え〜?お子ちゃま彼女より色気も胸もあって最高でしょ〜?照れ屋さんなんだからっ」


「はいはい、その色気で他の男誘えば」

何で先輩は嫌なのにちゃんと拒否しないのっ?



美園先輩が彼女な訳じゃないのにっ…!



見たくないのにっ………!



私はその場から逃げ出して走った。



やだよっ……、



< 113 / 246 >

この作品をシェア

pagetop