一途で嘘つきな先輩は、私を溺愛してきます。





先輩……いない。



先輩が座るであろうデスクを見た。


………、、これ、PC借り出し書だ。


……あはは、なに思ってたんだろ。先輩がわざわざここでするわけない……か、



涙がじわじわこみ上げてくるのを我慢して、窓を見た。


「……はぁ、、……っ」

息を一気に吐いて気づく。


………、あれ…



先輩の家の……車。



「……っ、行かなきゃ。」


私は生徒会室から飛び出す。



先輩……きっと…まだいる……っ!



昇降口までの廊下を走る。



見えた誰かの背中。先輩の髪色、髪型だ。


「……っ……、湊先ぱ、いっ……!!」


走りながら、大声で名前を呼ぶ。


「………は?」


振り返ろうとする先輩の顔はすごく驚いてた。


私はその驚いた先輩の体に抱きついた。


力強く、ぎゅっと、…離れないように。



「先輩っ…、」


「……何で」


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