一途で嘘つきな先輩は、私を溺愛してきます。
冷たい声色。きっと顔もすごく怖い表情で、冷たい視線を送るんだろう。
でも、拒否しない。
私はそれが嬉しくて、また力を込めた。
きっと先輩には敵わないけれど。
「……っ、湊先輩に会いたくって……」
「………へぇ、何のために?」
先輩の声色はずっと同じで、低く威圧的だ。
私の好きな先輩は冷たい先輩じゃないよっ……、
「せ、先輩、わたしっ……」
逃げててごめんなさい。って言おうと思った。
けどそれをさえぎったのは、先輩じゃない
誰かの声だった。
「あれ?失敗した?変なとこ感良いんだね千代華」
………えっ……?
「空……?」
「小鳥遊、くんっ…?」
何で小鳥遊くんが…ここのに?
それに、失敗って……、
「これで、悲しんで壊れそうな千代華につけ入ろうとしたんだ、け、ど……、あはは、どういうこと?」
怖いくらいニコニコで私を見る小鳥遊くん。
私につけ入、る?