一途で嘘つきな先輩は、私を溺愛してきます。
 
でも俺は、中学生の時から必要最低限親友以外と話さなくなった。
同級生とばっかりつるんでいた。



正直、人間に千代華にしか好意はなかった。


「千代華……」


なぁ、千代華。俺のことを抱きしめた理由は何?


自分が振るから、最後の慰め?


少し息づかいが荒い千代華。



あつ……


「……せんぱ……ぃ、」


千代華に触れた俺の手をぎゅっと自分の手で握った。


「………どうしたの」


心なしか鼓動が速くなっている気がする。



「……はぁ、……わたし、……」



この先の言葉ね多分この後の関係が決まるんじゃないか…って、そう感覚で思って。



つばをグッと飲み込んで彼女の手を優しく握る。


「せんぱ……いのこと…」








大好きです。




俺はその場でしゃがみ込む。



フニャッと笑う顔。


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