一途で嘘つきな先輩は、私を溺愛してきます。
包帯巻いてんだよ、って言おうとしたら、


「俺が、……いなければ、」



そう言って青ざめた、血の気の引いた顔を見せた。



「俺を、庇って千代華が…怪我した。俺の、せいだ……。。」



違う、悪いのはお前じゃない。きっと千代華だってそう思ってる。


庇った、…その事が正しいのなら、千代華はお前に謝って欲しくないはずだ。



「……お前、とりあえず、かえりな、顔の色、やばい。」



俺はそう言って湊を使用人の方へ、出した。



「……………、俺の、せいだって、いえなかった。」



これは今でも後悔してる。


そして俺は過保護になった。



記憶喪失が起きてしまった千代華に、もうそんな辛いことは起こさせないように、




でも、


そんなの無理だったんだ。




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