一途で嘘つきな先輩は、私を溺愛してきます。
「………ん……」
「………優、」
起きてないことをいいことに呼び捨てしてみる。
……、やっべ、無性に恥ずかしくなってきた。
「……、こう、すけ……く、」
「……!」
俺の名前呼んでる……、嬉し……
心の中でちょっとガッツポーズ。
でも……、辛そう。
赤く頬は染まってるし、苦しそうな息遣いだ。
苦しい……で、思い出した。
この前千代華ちゃんが言っていた、彼女の過去。
ーーー
『優ちゃん、無理……してないかな。』
『どうして?』
『もう、高校生になったとはいえ、中学生の時にできたトラウマが消えてないんじゃないかなっ……て、
ごめんね!困らせるようなこと言って……」
『…ううん、なんか……俺もゴメン。』
『……、優ちゃんの、トラウマはね……、元彼に
浮気されたことなんだ………、』
『え……』