一途で嘘つきな先輩は、私を溺愛してきます。
「なん、……で?私浩介くんなんて…浩介くんなんか
見たくないっ……!」


なぜそうなってしまったのか俺には分からない。

「優ちゃん、俺の顔ちゃんと見て」


優ちゃんは、さっきから目を合わせずに、下を向いて必死に合わせないようにしている。


いつも強くて頼りになる彼女が、自分の恋愛のことでこんなに弱くなるなんて……クソ元彼が


トラウマが優ちゃんを縛り付けてる。



「優ちゃ……優。」




「やっ………やぅ……、恋なんてやっぱしなきゃ良かった…っ、……っふ、」



止まらない涙と彼女の素直な言葉が、俺の心を暴れさせる。



今、恋……って言った?


「優、俺のことどう思ってるの?」


「……っ、嫌い」


「……、本当は?」

しばらく黙る彼女の目線に合わせ、屈む。


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