シュクルリーより甘い溺愛宣言 ~その身に愛の結晶を宿したパティシエールは財閥御曹司の盲愛から逃れられない~
「希幸ちゃんは、フランスにいる間に『récompense do fleur d'or』も受賞したのよね! おめでとうって言おうって、ずっと思ってたの」
「あ、ありがとうございます!」
まさか、お祝いを言って頂けるとは思わなかった。
嬉しい。
けれど、それを祝ってくれる相手が慧悟さんの婚約者だという事実に、素直に喜べない私がいる。
お礼を言いつつ頭を下げるふりをして、私はこみ上げてきたモヤモヤを隠した。
すると、慧悟さんの声が飛んでくる。
「『récompense do fleur d'or』って、あのフランスの――っ!?」
「はい、恐縮です……」
腰は上げずに、顔だけ少し上げた。
「すごいじゃないか、おめでとう」
自分も嬉しいというように笑う、慧悟さんと目があった。
その笑みは、私だけに向けられたもの。
胸がいっぱいになり、思わず頬がゆるむ。
けれど、慧悟さんはその視線をすぐに彩寧さんの方へ向けてしまった。
「あ、ありがとうございます!」
まさか、お祝いを言って頂けるとは思わなかった。
嬉しい。
けれど、それを祝ってくれる相手が慧悟さんの婚約者だという事実に、素直に喜べない私がいる。
お礼を言いつつ頭を下げるふりをして、私はこみ上げてきたモヤモヤを隠した。
すると、慧悟さんの声が飛んでくる。
「『récompense do fleur d'or』って、あのフランスの――っ!?」
「はい、恐縮です……」
腰は上げずに、顔だけ少し上げた。
「すごいじゃないか、おめでとう」
自分も嬉しいというように笑う、慧悟さんと目があった。
その笑みは、私だけに向けられたもの。
胸がいっぱいになり、思わず頬がゆるむ。
けれど、慧悟さんはその視線をすぐに彩寧さんの方へ向けてしまった。