シュクルリーより甘い溺愛宣言 ~その身に愛の結晶を宿したパティシエールは財閥御曹司の盲愛から逃れられない~
「もうこの際だからはっきり言うわね。私と慧悟の婚約は、昔から決まっていたこと。けれど、慧悟があなたを好きだったのも昔からのこと。私はこれっぽっちも、慧悟のことを恋愛対象として見たことはないの」
彩寧さんの言葉は、上品さの中に強さを含んでいる。それが嬉しくて、ついほうっと彼女を見つめてしまう。
「慧悟と希幸ちゃんは互いに想い合っている。なのに、結ばれないなんて悲しすぎる。もう、私は余計なことしてばかりで嫌になっちゃう……」
彩寧さんはころころと表情を変えた。うっとりとしたり、愁いを含んだり。
けれど、最後には私の目をじっと見る。
「お腹に子供もいるなら、二人は絶対に結婚すべきだわ」
真剣な顔は、私には慧悟さんがふさわしいと言ってくれているようだ。
つい頬の力が抜け、ゆるゆると緩んでしまう。
「ほら、その顔。私、そうやって幸せそうな顔をしている希幸ちゃんが、好きよ」
彩寧さんの目尻が、優しく垂れる。私と彩寧さんは、互いにふふっと微笑んだ。
きっと、このまま幸せになれる。そう思いながら、笑い合っていると、不意にテレビの音が部屋に響いた。
「――次のニュースです。幾美財閥のグループ会社、幾美硝子株式会社は、今期の経営不振により――」
聞こえてきた『幾美』の音に、私は思わず振り向いた。
彩寧さんの言葉は、上品さの中に強さを含んでいる。それが嬉しくて、ついほうっと彼女を見つめてしまう。
「慧悟と希幸ちゃんは互いに想い合っている。なのに、結ばれないなんて悲しすぎる。もう、私は余計なことしてばかりで嫌になっちゃう……」
彩寧さんはころころと表情を変えた。うっとりとしたり、愁いを含んだり。
けれど、最後には私の目をじっと見る。
「お腹に子供もいるなら、二人は絶対に結婚すべきだわ」
真剣な顔は、私には慧悟さんがふさわしいと言ってくれているようだ。
つい頬の力が抜け、ゆるゆると緩んでしまう。
「ほら、その顔。私、そうやって幸せそうな顔をしている希幸ちゃんが、好きよ」
彩寧さんの目尻が、優しく垂れる。私と彩寧さんは、互いにふふっと微笑んだ。
きっと、このまま幸せになれる。そう思いながら、笑い合っていると、不意にテレビの音が部屋に響いた。
「――次のニュースです。幾美財閥のグループ会社、幾美硝子株式会社は、今期の経営不振により――」
聞こえてきた『幾美』の音に、私は思わず振り向いた。