シュクルリーより甘い溺愛宣言 ~その身に愛の結晶を宿したパティシエールは財閥御曹司の盲愛から逃れられない~
慧悟さんは、パーティーのお手伝いに行くたびに、ピアノを弾いていた。
私はこっそりと母の目を盗んで、慧悟さんに会いに行っていた。
何回か通えば、「また来たの?」と慧悟さんはクスクス笑いながら、部屋に入れてくれた。
ピアノの音はとても心地よくて、大好きなお兄さんが弾いているというだけで嬉しくなった。
それから一年が過ぎた頃だったと思う。
私が慧悟さんの元を訪れると、そこに慧悟さんと同じくらいの歳の少女が一緒にいた。
ドレスを着た彼女は、彩寧さんだった。
「この子が慧悟のお姫様?」
「そ。いつも聞きに来てくれるんだ」
慧悟さんが私を『お姫様』と紹介していたことが嬉しくてはにかむと、彼女はこっそりと私に教えてくれた。
「慧悟はね、甘いものが好きなの」
それから、私は慧悟さんの家に行くときは、こっそりと甘いものを用意して持って行った。
幼いながらに、自分の恋心をアピールしたかったんだと思う。
はじめは、湯煎したチョコレートを固めただけ。
それでも、慧悟さんはいつもその場で食べて、「美味しい」と言ってくれた。
そして、お礼にピアノの曲を弾いてくれる――。
ガトーショコラも、その中で渡したケーキのひとつだ。
確か、10歳の時だったと思う。
そして、その時に言われたのだ。
「希幸が大きくなったら、僕たちのウェデングケーキを作ってよ」
私はこっそりと母の目を盗んで、慧悟さんに会いに行っていた。
何回か通えば、「また来たの?」と慧悟さんはクスクス笑いながら、部屋に入れてくれた。
ピアノの音はとても心地よくて、大好きなお兄さんが弾いているというだけで嬉しくなった。
それから一年が過ぎた頃だったと思う。
私が慧悟さんの元を訪れると、そこに慧悟さんと同じくらいの歳の少女が一緒にいた。
ドレスを着た彼女は、彩寧さんだった。
「この子が慧悟のお姫様?」
「そ。いつも聞きに来てくれるんだ」
慧悟さんが私を『お姫様』と紹介していたことが嬉しくてはにかむと、彼女はこっそりと私に教えてくれた。
「慧悟はね、甘いものが好きなの」
それから、私は慧悟さんの家に行くときは、こっそりと甘いものを用意して持って行った。
幼いながらに、自分の恋心をアピールしたかったんだと思う。
はじめは、湯煎したチョコレートを固めただけ。
それでも、慧悟さんはいつもその場で食べて、「美味しい」と言ってくれた。
そして、お礼にピアノの曲を弾いてくれる――。
ガトーショコラも、その中で渡したケーキのひとつだ。
確か、10歳の時だったと思う。
そして、その時に言われたのだ。
「希幸が大きくなったら、僕たちのウェデングケーキを作ってよ」