シュクルリーより甘い溺愛宣言 ~その身に愛の結晶を宿したパティシエールは財閥御曹司の盲愛から逃れられない~
ホテルに戻ると、慧悟さんはさっとルームサービスを手配してくれる。
運ばれてきたディナーは1人分、私の分だけだ。
慧悟さんは私に笑みを向けながら、ノートパソコンを開いている。
「お仕事ですか?」
「ああ。ごめんね、希幸が目の前にいるのに」
慧悟さんはそう言うと、ぱたんとパソコンを閉じてしまった。
「あ、いいんです! お仕事、続けて――」
言いかけた時、突然スマホが鳴りだした。
慧悟さんはポケットから取り出したそれを一瞥する。
しかし、「ごめんね」と私に断りを入れ、またポケットにスマホを戻してしまった。
「あの、私のことは気にしないでください! お仕事の方が、大切だと思うから……」
「ううん、僕には希幸の方が大切だよ?」
目の前で、間髪入れずにすぐに否定する慧悟さんに、愛しさが募る。
それだけで胸が満たされて、きゅうっと苦しくなって、目頭を熱くする。
「……可愛い」
まだ食べかけのディナー。
慧悟さんは徐ろに私のフォークを取り、赤身の残る牛肉でヴァン・ルージュをすくう。
それを口元に差し出されれば、あーんと口を開けざるを得ない。
ぱくっと口に入ると、慧悟さんは満足そうに微笑む。
「ほら、可愛い」
「か、可愛くは――」
「可愛いよ。食べちゃいたいくらい」
「た、食べ――っ!」
口を噤んだ私の頬はきっと真っ赤だ。
慧悟さんは、そんな私を見てケラケラと笑った。
運ばれてきたディナーは1人分、私の分だけだ。
慧悟さんは私に笑みを向けながら、ノートパソコンを開いている。
「お仕事ですか?」
「ああ。ごめんね、希幸が目の前にいるのに」
慧悟さんはそう言うと、ぱたんとパソコンを閉じてしまった。
「あ、いいんです! お仕事、続けて――」
言いかけた時、突然スマホが鳴りだした。
慧悟さんはポケットから取り出したそれを一瞥する。
しかし、「ごめんね」と私に断りを入れ、またポケットにスマホを戻してしまった。
「あの、私のことは気にしないでください! お仕事の方が、大切だと思うから……」
「ううん、僕には希幸の方が大切だよ?」
目の前で、間髪入れずにすぐに否定する慧悟さんに、愛しさが募る。
それだけで胸が満たされて、きゅうっと苦しくなって、目頭を熱くする。
「……可愛い」
まだ食べかけのディナー。
慧悟さんは徐ろに私のフォークを取り、赤身の残る牛肉でヴァン・ルージュをすくう。
それを口元に差し出されれば、あーんと口を開けざるを得ない。
ぱくっと口に入ると、慧悟さんは満足そうに微笑む。
「ほら、可愛い」
「か、可愛くは――」
「可愛いよ。食べちゃいたいくらい」
「た、食べ――っ!」
口を噤んだ私の頬はきっと真っ赤だ。
慧悟さんは、そんな私を見てケラケラと笑った。