強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
彼の剣は瘴気で視界が悪い中でも、僅かにも殿下を傷つけることなく、的確に魔獣の急所である瘴気溜まりを刺し貫いていた。私が出しゃばらずとも、ラインフェルド様の手によって魔獣は討たれたのだ。
どうやら私は騎士団長の実力を愚かにも読み違え、軽んじてしまったらしい。
なんて馬鹿な行動をしたんだろう。内心で、自分自身の馬鹿さ加減を自嘲した。
瞼がなぜか驚くくらいに重く、目を開けているのが辛い。
『フェリシア!? しっかりしろ!』
ここでふと、彼が聖女という呼称ではなく『フェリシア』と名前で呼んでいることに気づく。しかもその声には悲壮なほどの心痛が滲む。
彼を安心させたい一心で、僅かにでも油断すれば下がりそうになる瞼に力を篭めて目線を上げた。そうして私を覗き込む、彼のサファイアみたいな瞳と目が合った瞬間。
どうやら私は騎士団長の実力を愚かにも読み違え、軽んじてしまったらしい。
なんて馬鹿な行動をしたんだろう。内心で、自分自身の馬鹿さ加減を自嘲した。
瞼がなぜか驚くくらいに重く、目を開けているのが辛い。
『フェリシア!? しっかりしろ!』
ここでふと、彼が聖女という呼称ではなく『フェリシア』と名前で呼んでいることに気づく。しかもその声には悲壮なほどの心痛が滲む。
彼を安心させたい一心で、僅かにでも油断すれば下がりそうになる瞼に力を篭めて目線を上げた。そうして私を覗き込む、彼のサファイアみたいな瞳と目が合った瞬間。