強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
そんなわけで急遽決まった旅の支度に追われ、結局昨日の夜は彼を説得するどころではなくなってしまった。朝も早いし、このまま彼と顔を合わせることも、会話することもなく、出立することになるだろうと思っていたのだが……。
「移動中は水分を多くとり、体調に気をつけろ。そうだ、革水筒は忘れず持っているな?」
「こまめに水を飲むようにします。革水筒は既に車内に運び入れています」
ところがひと晩明けてみると私の予想に反し、彼は日の出前にもかかわらず、当たり前のように見送りに立ってくれていた。正直、驚いた。
しかも彼は心配そうに眉尻を下げ、しきりに気遣う言葉をかけてくる。私を見下ろすブルーの瞳も真剣そのもので、その熱量に少し戸惑う。だって、これまでそんなふうに熱い眼差しを向けてきたことがあっただろうか。
この扱いの違いはなんなのか? ひと晩で生じた変化に、考えが追いつかない。
「そうか。それとフェリシア、よかったら日よけに被るといい」
「移動中は水分を多くとり、体調に気をつけろ。そうだ、革水筒は忘れず持っているな?」
「こまめに水を飲むようにします。革水筒は既に車内に運び入れています」
ところがひと晩明けてみると私の予想に反し、彼は日の出前にもかかわらず、当たり前のように見送りに立ってくれていた。正直、驚いた。
しかも彼は心配そうに眉尻を下げ、しきりに気遣う言葉をかけてくる。私を見下ろすブルーの瞳も真剣そのもので、その熱量に少し戸惑う。だって、これまでそんなふうに熱い眼差しを向けてきたことがあっただろうか。
この扱いの違いはなんなのか? ひと晩で生じた変化に、考えが追いつかない。
「そうか。それとフェリシア、よかったら日よけに被るといい」