強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
そんな私の様子を見て彼は一瞬驚いたように目を瞠り、次いで蕩けるように微笑んだ。その瞳の甘さに、ドクンと胸が大きく跳ねた。
「それでフェリシア、昨日の件だが──」
──ヒヒィイン。
ラインフェルド様がなにか言いかけた。その声に馬の嘶きが重なる。
一瞬、ふたりの間を沈黙が支配する。
「フェリシア様、全隊員準備完了しています。馬車も万端で、いつでも出発できます」
「ありがとう! 今行くわ」
騎士団の第三部隊隊長で、私の浄化の旅の警護責任者を務めるレックスさんからの報告に頷いて答え、ラインフェルド様を見上げた。
「ラインフェルド様、すみませんがもう行かなくちゃ」
ラインフェルド様はなにかを堪えるように一度グッと唇を引き結び、ひとつ息を吐きだしてから口を開いた。
「……そうか。道中、体をいとうようにな。気をつけていってこい」
「はい、いってきます」
「それでフェリシア、昨日の件だが──」
──ヒヒィイン。
ラインフェルド様がなにか言いかけた。その声に馬の嘶きが重なる。
一瞬、ふたりの間を沈黙が支配する。
「フェリシア様、全隊員準備完了しています。馬車も万端で、いつでも出発できます」
「ありがとう! 今行くわ」
騎士団の第三部隊隊長で、私の浄化の旅の警護責任者を務めるレックスさんからの報告に頷いて答え、ラインフェルド様を見上げた。
「ラインフェルド様、すみませんがもう行かなくちゃ」
ラインフェルド様はなにかを堪えるように一度グッと唇を引き結び、ひとつ息を吐きだしてから口を開いた。
「……そうか。道中、体をいとうようにな。気をつけていってこい」
「はい、いってきます」