強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
「まぁまぁ! なんてお可愛らしいお嬢さんでしょう。私は妻のイザベラ。こちらは息子のアンディノールですわ。ただいま、当家の庭では夏咲きのグラジオラスが見頃ですの。よろしかったら、この後さっそくアンディノールが庭の案内を──」
「せっかくですが荷物だけ置かせていただいたらすぐに貯水湖に向かいます。案内をお願いいたします」
領主夫人の話を遮ってピシャリと言い切る。
本心では、この緊急時になにを考えているのかと怒鳴りたかったが、グッと堪えた。しかも聖女であり、デアランブール公爵夫人である私に町長夫人の『お嬢さん』呼びは、さすがにない。公式な場なら不敬罪で処罰の対象だ。もちろん、あえて追及はしないけれど。
「おやおや! 聖女様は実に熱心でらっしゃる。ですが、もうじき日も暮れますし、足もとも悪い。浄化は明日にしてはいかがかな?」
「いえ、私は浄化のためにここに来ています。視界はまだ十分にききますし、道の悪さについても護衛の方々が付いていますので問題ありません」
「せっかくですが荷物だけ置かせていただいたらすぐに貯水湖に向かいます。案内をお願いいたします」
領主夫人の話を遮ってピシャリと言い切る。
本心では、この緊急時になにを考えているのかと怒鳴りたかったが、グッと堪えた。しかも聖女であり、デアランブール公爵夫人である私に町長夫人の『お嬢さん』呼びは、さすがにない。公式な場なら不敬罪で処罰の対象だ。もちろん、あえて追及はしないけれど。
「おやおや! 聖女様は実に熱心でらっしゃる。ですが、もうじき日も暮れますし、足もとも悪い。浄化は明日にしてはいかがかな?」
「いえ、私は浄化のためにここに来ています。視界はまだ十分にききますし、道の悪さについても護衛の方々が付いていますので問題ありません」