強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
「私はアレッポス町役場環境整備課、課長のニーグと申します。町長ゴンザレスの甥にあたります。この度は聖女様の案内役を仰せつかりまして、恐悦至極に存じます」
最初に名乗ったのは官服の男性。顔つきがどことなく町長に似ていると思ったら、どうやら血縁であったらしい。
やたらと腰が低く、貼り付けたような笑みでペコペコと頭を下げる動作を繰り返しているが、一度も私と目が合わない。単純に頼りないし、正直、まともに目も合わさないような人は信用できない。
もうひとりの男性は対照的で、真っ直ぐに私の目を見て丁寧に話しだした。
「あっしは町の自衛団の団長のジェイコブと言いやす。貯水湖まではこっから歩いて十五分ほどになりやす。生憎と馬車を乗り入れるにゃ道が悪くて、歩いていただかにゃなら──」
「おい、お前! 聖女様に対してその野暮ったい口調はなんとかならんのか!? それに、その薄汚れた格好はなんだ? ……ハァ。まったく使えん男だ」
最初に名乗ったのは官服の男性。顔つきがどことなく町長に似ていると思ったら、どうやら血縁であったらしい。
やたらと腰が低く、貼り付けたような笑みでペコペコと頭を下げる動作を繰り返しているが、一度も私と目が合わない。単純に頼りないし、正直、まともに目も合わさないような人は信用できない。
もうひとりの男性は対照的で、真っ直ぐに私の目を見て丁寧に話しだした。
「あっしは町の自衛団の団長のジェイコブと言いやす。貯水湖まではこっから歩いて十五分ほどになりやす。生憎と馬車を乗り入れるにゃ道が悪くて、歩いていただかにゃなら──」
「おい、お前! 聖女様に対してその野暮ったい口調はなんとかならんのか!? それに、その薄汚れた格好はなんだ? ……ハァ。まったく使えん男だ」