強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
グレンが素っ頓狂に叫び、阿呆面で俺を見る。いつも取り澄ましたこの男のこんな顔を見たのは初めてのことだった。
「聞こえんかったのか? 俺が指揮を執ると言った。二度言わせるな」
「……は、はぁ。では、指揮官はラインフェルド騎士団長。随行する騎士は、当初の予定通り第二部隊から精鋭を二十名選抜。移動中の携帯食と物資は既に補給部隊に手配を指示済みで、すべての出発準備完了は午後二時頃の見込みです」
胡乱な視線を向けつつも淡々と今後の予定について語るあたり、やはり食えない男だ。そして本人には絶対に言ってやらんが、実に有能な男でもある。
「では、二時出発で随行する隊員らに通達を。補給部隊には二時までの準備を厳命しろ」
「承知しました」
「俺が不在中の騎士団長権限は、一時的にお前に移譲する。俺も出発の準備に取り掛かる、後のことは頼んだ」
「ハッ。……時にラインフェルド騎士団長」
グレンは騎士団式の敬礼で答えた後、しばし間を置いて俺に呼びかけた。
「聞こえんかったのか? 俺が指揮を執ると言った。二度言わせるな」
「……は、はぁ。では、指揮官はラインフェルド騎士団長。随行する騎士は、当初の予定通り第二部隊から精鋭を二十名選抜。移動中の携帯食と物資は既に補給部隊に手配を指示済みで、すべての出発準備完了は午後二時頃の見込みです」
胡乱な視線を向けつつも淡々と今後の予定について語るあたり、やはり食えない男だ。そして本人には絶対に言ってやらんが、実に有能な男でもある。
「では、二時出発で随行する隊員らに通達を。補給部隊には二時までの準備を厳命しろ」
「承知しました」
「俺が不在中の騎士団長権限は、一時的にお前に移譲する。俺も出発の準備に取り掛かる、後のことは頼んだ」
「ハッ。……時にラインフェルド騎士団長」
グレンは騎士団式の敬礼で答えた後、しばし間を置いて俺に呼びかけた。