強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
 そうこうしているうちに、報せをやっていた南地区を管轄する犯罪取締官たちが到着する。彼らは私の護衛騎士と二、三言葉を交わした後、すぐに夫妻を拘束した。

「ちょっと!? その宝石をどうするつもり!?」

 私が宝石を纏めていたら、連行されていく夫人が気づいて声をあげた。

「どうするのかと聞かれれば、差し押さえます。おそらく、最終的には使い込まれた税金の補填に回されるかと思います」
「っ、この小娘がーーっ!!」

 夫人の金切り声が館内に反響し、ちょっと耳がキーンとした。

「お、おい!? なぜうちの庭に小汚い町人どもがいる!? 勝手になにをしているっ!」

 館の玄関を出たところで、今度は町長が声をあげた。
 庭では現在、私を遠巻きに見つめていた町の人たちが集い、わいわいと賑やかにワンハンドスタイルの食事を楽しんでいた。

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