強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
「わざわざ騎士様に送っていただくなんて、なんだか申し訳ないわねぇ。本当にいいのかい、聖女様?」
「もちろんです。この暗がりの中女性が歩くのは危険です。私が心配なので、ぜひご自宅まで送らせてください」
「そうかい? すまないねえ」

 私は護衛の騎士たちに、女性たちを自宅まで送るように指示した。レックスさんは護衛の人数を減らすことに難色を示したが、女性をひとりで帰らせるなど私が容認できなかった。
 結局、隣近所まで一緒に帰宅できる人がいない女性八名に対し、同数の騎士を付けた。私の護衛はレックスさんの他、残る二名の騎士が担うことになった。

 そうして町の人たちが全員帰っていくと、館は一気に静かになった。私は客間の前の廊下で、レックスさんから報告を受けていた。

「フェリシア様、所轄の屯所から先ほど連絡が入りました。ニーグをはじめ横領等へ関与が疑われる町長の親類縁者たちは、取り調べのため連行したとのことです」

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