強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
私はレックスさんに頭を下げ、ひとり客間の中に入っていった。
客間のローテーブルの上に、私の鞄だけが置かれていた。
……あら? ボンネットがないわ。
館に到着したのが夕方だったので、日よけのボンネットは被らず馬車の中に置いていたのだ。てっきり鞄と一緒にアンディノールが運んでくれたものだとばかり思っていたが……。
念のためクローゼットや脱衣所の中まで覗いてみたが、どこにも見当たらなかった。
着替えなどの必需品は鞄の中に入っているから、今すぐないと困るという物ではない。けれど、ラインフェルド様に借りた大事なボンネットをひと晩目の届かない場所に置きっぱなしにするのは憚られた。
「よしっ、馬車を見てこよう!」
わざわざレックスさん声をかけるまでもない。彼は朝から騎馬で私に付き従い、長い一日を終えてやっと部屋に下がったところ。それに馬車は、館の玄関を出てすぐの場所に停められているのだ。
私はスルリと部屋を飛び出して、玄関に向かった。
◇◇◇
客間のローテーブルの上に、私の鞄だけが置かれていた。
……あら? ボンネットがないわ。
館に到着したのが夕方だったので、日よけのボンネットは被らず馬車の中に置いていたのだ。てっきり鞄と一緒にアンディノールが運んでくれたものだとばかり思っていたが……。
念のためクローゼットや脱衣所の中まで覗いてみたが、どこにも見当たらなかった。
着替えなどの必需品は鞄の中に入っているから、今すぐないと困るという物ではない。けれど、ラインフェルド様に借りた大事なボンネットをひと晩目の届かない場所に置きっぱなしにするのは憚られた。
「よしっ、馬車を見てこよう!」
わざわざレックスさん声をかけるまでもない。彼は朝から騎馬で私に付き従い、長い一日を終えてやっと部屋に下がったところ。それに馬車は、館の玄関を出てすぐの場所に停められているのだ。
私はスルリと部屋を飛び出して、玄関に向かった。
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