強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
……大きくて、温かい手。なんだか、すごく安心する。優しい手つきに身を委ねていたら、いつしか涙は止まっていた。
昂った心が落ち着いてくると、ふいに昔の出来事が思い出された。
……そういえば、前にも一度こんなふうに大きくて温かい手で励まされたことがあったっけ。
当時と今では状況がまるで違うし、あの時私たちを助けてくれた人は流れの旅人で誰とも知れない。なぜこのタイミングで思い出したのかは謎だけれど、もしかすると不安な心に圧倒的な安心感を与えてくれたという点が共通していたからかもしれない。それにあの時の旅の人も、ラインフェルド様と同じくらい大きくて温かい手をしていたから、きっとそのせいだろう。
「フェリシア様、ご無事ですか!?」
ここで、物音を聞き付けたレックスさんと他の護衛騎士が駆けてきた。
「き、騎士団長!?」
彼らは地面に転がるアンディノールと車内のラインフェルド様、そして彼の腕に抱かれた私の姿を見て目を丸くした。
昂った心が落ち着いてくると、ふいに昔の出来事が思い出された。
……そういえば、前にも一度こんなふうに大きくて温かい手で励まされたことがあったっけ。
当時と今では状況がまるで違うし、あの時私たちを助けてくれた人は流れの旅人で誰とも知れない。なぜこのタイミングで思い出したのかは謎だけれど、もしかすると不安な心に圧倒的な安心感を与えてくれたという点が共通していたからかもしれない。それにあの時の旅の人も、ラインフェルド様と同じくらい大きくて温かい手をしていたから、きっとそのせいだろう。
「フェリシア様、ご無事ですか!?」
ここで、物音を聞き付けたレックスさんと他の護衛騎士が駆けてきた。
「き、騎士団長!?」
彼らは地面に転がるアンディノールと車内のラインフェルド様、そして彼の腕に抱かれた私の姿を見て目を丸くした。