強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
「あやつはフェリシアに狼藉を働こうとした! 拘束し、屯所に突き出しておけ!!」
「ハッ!」

 即座に護衛騎士ふたりがアンディノールを拘束し、私の目に触れぬよう配慮しながら引っ立てていく。

「っ、申し訳ございません! 護衛責任者として面目もございません」

 私の護衛責任者のレックスさんはその場に片膝を突き、私たちに向けて深く頭を垂れた。

 えっ!? 予想外の展開にびっくりして、思わず涙も止まる。

「ち、ちがっ──あっ!?」

 咄嗟に「レックスさんは悪くないのだ」と声をあげかけたけれど、同じタイミングでラインフェルド様にひょいと抱き上げられて、驚いて口を噤んでしまう。
 その隙にラインフェルド様は私を片腕に抱いたまま馬車を降り、レックスさんの前を素通りし館へと歩きだす。

「其方の責任の追及は王都に戻ってからだ。今は引き続き、館の警護にあたれ」
「ハッ!」

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