強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
「いずれ助けが来るのは分かっていたのですが、幼いふたりがぐずり出してしまい、本音では途方にくれていました。そこに、たまたま通りがかった旅の男性が気づいてくれて。その旅の男性に助けられました」
「たまたま側を通りがかった時、壁越しに君の声が聞こえてきた。助けを呼ぶ声と、気丈に子供たちを励まし、元気づけていた声が印象的だった。……君が言う旅の男、あれは俺だ」
……あぁ、そうだったのか。
「あなた、だったのですね」
驚きは一瞬で、すぐに胸にストンと理解が広がった。
今思えば、農具小屋の扉を開け助け出してくれた彼に穏やかな声で『よく頑張ったな』と言ってもらい、大きくて温かな手でトントンと背中を撫でられたあの時。きっと、あれが私の初恋だった。
安堵に包まれながら、同時に不可思議なほどの胸の高鳴りをたしかに自覚していたのだ。
「たまたま側を通りがかった時、壁越しに君の声が聞こえてきた。助けを呼ぶ声と、気丈に子供たちを励まし、元気づけていた声が印象的だった。……君が言う旅の男、あれは俺だ」
……あぁ、そうだったのか。
「あなた、だったのですね」
驚きは一瞬で、すぐに胸にストンと理解が広がった。
今思えば、農具小屋の扉を開け助け出してくれた彼に穏やかな声で『よく頑張ったな』と言ってもらい、大きくて温かな手でトントンと背中を撫でられたあの時。きっと、あれが私の初恋だった。
安堵に包まれながら、同時に不可思議なほどの胸の高鳴りをたしかに自覚していたのだ。