強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
だけど嬉しい反面、次々に伝えられる賛辞はこそばゆく、なんとも座り心地が悪い。彼は、そわそわと落ち着きなく視線をさ迷わせる私を蕩けるような瞳で見下ろして、口を開いた。
「あの時から、俺は君に惹かれていた。君との結婚が決まった時は、この幸運を与えてくれたまだ見ぬ神に感謝した。そして君と過ごした一年間は俺にとって夢のような時間だった。君が望む離婚を叶えてやるべきだと頭では分かっているのに、どうしても手放せない。君を愛しているんだ」
彼が紡いだ『愛している』の一語を耳にした瞬間、時が止まったかのように錯覚した。
そうして気づいた時には、感情のまま声をあげていた。
「だったら、私を離さないでください……っ! 離しては嫌です!」
理性的な思考を置き去りに、迸る想いを叫ぶ。
「どうか聞いてください! 身勝手に離婚を言い出して、優しいあなたを傷つけておいて、今さらどの口がと呆れられてしまうかもしれません。ですが、私はあなたをお慕いしています」
「あの時から、俺は君に惹かれていた。君との結婚が決まった時は、この幸運を与えてくれたまだ見ぬ神に感謝した。そして君と過ごした一年間は俺にとって夢のような時間だった。君が望む離婚を叶えてやるべきだと頭では分かっているのに、どうしても手放せない。君を愛しているんだ」
彼が紡いだ『愛している』の一語を耳にした瞬間、時が止まったかのように錯覚した。
そうして気づいた時には、感情のまま声をあげていた。
「だったら、私を離さないでください……っ! 離しては嫌です!」
理性的な思考を置き去りに、迸る想いを叫ぶ。
「どうか聞いてください! 身勝手に離婚を言い出して、優しいあなたを傷つけておいて、今さらどの口がと呆れられてしまうかもしれません。ですが、私はあなたをお慕いしています」