強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
 一旦口付けを解いたラインフェルド様は、それはそれは愛おしそうに笑う。柔らかなその笑顔に、私の目も心も釘付けになった。

「あっ!」

 手首を掴んでいるのと逆の手が私の腰に回り、ふわっと体が浮き上がる。えっ?と思った次の瞬間には、私は寝台の上に仰向けに寝かされていた。パチパチと目を瞬いていると、ギシリと寝台が軋む。
 気づいた時にはラインフェルド様が私に覆い被さっていて、色情をたたえたブルーの瞳のあまりの近さにドキリとした。

「んっ!?」

 ラインフェルド様が私の首筋に顔を埋める。直後に、チリッとした痛みが走る。ビクンと肩を揺らすと、宥めるようにその箇所を舌で舐められた。
 そのまま唇で軽く食んだり吸い上げたりしながら、彼は愛撫の位置を首から鎖骨へと徐々に下げていく。普段人に触れられることのない敏感な肌を唇で辿られるのは、ひどくこそばゆい。

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