強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
私の問いかけに、ラインフェルド様は一瞬手を止めて怪訝そうな顔をしたけれど、すぐに思い至ったようだった。
「ああ、傷のことか。どれも古傷だから痛みはしない。見苦しくてすまない」
彼の肌には刃傷の引き攣れが何本も走っていた。しかも、それらの傷は私の腕のそれよりももっと重傷のものばかりだった。
「体を張って私たち国民を守ってくれた名誉の負傷が見苦しいわけがありません。逞しくて、とても素敵だと思います」
肩口に残る傷跡をそっと指先で辿りながら告げたら、彼は驚いたように目を丸くした。
「素敵、か。初めて言われたな」
「あら。それは皆さん、絶望的に見る目がありませんね。さっきのあなたの言葉をなぞらえるわけではないのですが、私もあなたが『傷跡も含めて愛おしい』です。痛みがないならよかった」
私がわざと悪戯めかして言えば、彼はまろやかに目を細め、私の頬に、額に、そして唇にと顔中に優しいキスを降らせた。
「んっ」
「ああ、傷のことか。どれも古傷だから痛みはしない。見苦しくてすまない」
彼の肌には刃傷の引き攣れが何本も走っていた。しかも、それらの傷は私の腕のそれよりももっと重傷のものばかりだった。
「体を張って私たち国民を守ってくれた名誉の負傷が見苦しいわけがありません。逞しくて、とても素敵だと思います」
肩口に残る傷跡をそっと指先で辿りながら告げたら、彼は驚いたように目を丸くした。
「素敵、か。初めて言われたな」
「あら。それは皆さん、絶望的に見る目がありませんね。さっきのあなたの言葉をなぞらえるわけではないのですが、私もあなたが『傷跡も含めて愛おしい』です。痛みがないならよかった」
私がわざと悪戯めかして言えば、彼はまろやかに目を細め、私の頬に、額に、そして唇にと顔中に優しいキスを降らせた。
「んっ」