強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
 最後に少し深めに唇を合わせ、そっと口付けが解かれた。

「フェリシア……いいか?」

 熱を孕んだ瞳で問われ、私はコクンと首を縦に振った。
 未知への恐怖と触れ合う肌の温もりに感じる幸せ。この先の行為への期待や興奮も。あらゆる思いがない交ぜになって、胸がバクバクと張り裂けそうな大きさで鳴っていた。

「できるだけゆっくりする。辛かったら言ってくれ」

 もしかしたら、彼には私のちょっとの強がりもお見通しなのかもしれない。だけど少しくらい無理を押したって、ふたりでこの先に進みたいと望んでしまったから。

 ラインフェルド様に望まれて嬉しくて、私もまた彼の全部がほしいと望んでいる。彼と身も心ももっと深く重なり合って、ひとつになって溶け合ってしまいたい──。

「……あぁっ!」

 そこから先は、まるで奔流にのみ込まれてしまったかのようだった。私は彼の肩にしがみ付き、彼がくれるすべての感覚に必死で応えた。

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