強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
 彼の下で揺さぶられ、翻弄され、何度となく爪先でシーツを蹴った。
 夜の静寂に、私の唇から漏れるあえかな喘ぎと彼の息づかいがまじり合う。魂までひとつになるように深く重なり合い、全身から愛おしさが迸る。

 最後の瞬間は、ひしと抱き合いながら彼が起こした真っ白な波に押し上げられて、これ以上ない高みへと駆け上る。
 快感と興奮の残響は一向に引いていく気配がない。私たちは固く抱き合ったまま、同じ頂に上った感動に酔いしれた。

「フェリシア、愛してる」
「私も、愛してます」

 どちらからともなく、そっと唇を寄せ合った。

「……フェリシア?」

 とろんと瞼を重くする私に気づいた彼が、情交の熱を残す掠れた声で呼びかける。

「ごめんなさい……、なんだか少し……眠く……って」


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