蒼い情熱が導く、あなたの極上な愛に酔いしれたら
星空のベールの下で、私達は何度も身体を重ねた。
何時の間にか夜は明けて、やっと眠りについたのは朝陽が昇る頃。
何か夢を見ていたと思う。
幸せな夢と過去の苦しい夢。
夢のせいか私は深くは眠れず、瞳を開けて窓から差し込む光を見ていた。
何もかも初めてだった。
きっと永遠に忘れられない時間。
この瞬間だけの、割り切った後腐れのない関係だけれども幸せだった。
あなたもー…
こんなに素敵な人だもの。私の扱いだって、いとも簡単に悦びの海に沈めてしまった。
私なんて彼が抱いた大勢の中の、一人に過ぎない。
偶然、一夜の相手に私が選ばれただけ。
あなたから別れを言われるのは辛いから、私から静かに幕を下ろそう。
この美しい島が見せてくれた、幸せな夢だと思って、
あの眩い太陽の様なあなたを心の奥に潜めて、また現実に戻ろう。
そっと、私を抱いたまま眠る彼の腕を解き、起き上がる。
テーブルの上にあるペンを取り、メモ紙に、
〝Ευχαριστώ”
慣れない文字でそう綴った。