蒼い情熱が導く、あなたの極上な愛に酔いしれたら
文字だけ見ても、雲の上の存在だって分かる。
このエンターテイメント雑誌の巻頭で特集されている彼ー…
ギリシャの旅で出逢い、ほんのさっき再会して突然プロポーズしてくれた彼のことらしい。
同一人物と証明が進んでも、現実を受け入れようとはしてもなかなか直視できない。
私ってばとんでもない男性と出逢って関係を…
やっぱり頭が混乱してる。
グシャッと前髪を乱してしまう。
いけない…
休憩終わっちゃうのに…
アピアランス…
鏡…
自分のロッカーを開けて、備え付けの鏡で乱れた髪を整える。
と、
ガチャッ、とロッカールールの扉が開く音が聞こえた。