蒼い情熱が導く、あなたの極上な愛に酔いしれたら

「ほんとびっくりですよねー、ここにきて社長交代なんて」

「上の人事に関しては私達がアレコレ言っても、って感じじゃん?何より七階の高嶺さんのこと!聞いた?」


また、こんな所でも出てくる私の話題にドキッとして手が止まる。
ロッカーの扉に隠れているのか、彼女達も私に気づいていないみたいで話を続ける。


「高嶺さんって、あの宝飾売り場の地味な方ですよね?」

「そうなんだけど、何でも売り場で公開プロポーズされたってー…」

「え、彼氏いたんですね。こんな事言っちゃ…ですけど全然想像できないですよね。似たタイプの彼氏なんですかね?いや、でも彼女の職場で公開プロポーズって行動は大胆ですね」

「それが!新社長と同姓同名のめっちゃ良い男だって!っていうか、新社長本人じゃないかって、みんな騒いでるの!」

「えぇっ⁈高嶺さんに彼氏が、も、びっくりですけど相手が新社長っ⁈そんな事あり得ますっ⁈」


そんなことあり得ないって思うのは当の本人も同じ。
どうしよう。
休憩終わっちゃうのに気まず過ぎて出ていけない。

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