蒼い情熱が導く、あなたの極上な愛に酔いしれたら
「高嶺さん、すみません。今日はこのまま早退していただいて、地下駐車場に待機している車に乗ってください!」
「く、車……ですか?」
「はいっ、何か業務の引き継ぎがあれば私が承ります」
「指輪のクリーニングのお客様が16時に受け取りに……」
「16時ですね!他に無ければ、とにかく急いで着替えて地下に行ってください!売り場へは事情は説明済みですから!」
事情って……?
と、疑問しか浮かばなかったけれども、主任の焦り様に、
「は、はいっ」
とにかく私も返事をした。
急いで制服から私服へ着替えを済ませて、地下駐車場へ向かう。
そこには国産の高級車が一際目立って停車している。
「高嶺様、こちらです。私本日運転を務めさせて頂きます末永と申します」
どうぞ、
と、漫画や小説に出てくるベテラン敏腕執事の様な運転手さんに後部座席を案内され車内へ。