蒼い情熱が導く、あなたの極上な愛に酔いしれたら
こんな高級車に乗せられて、何処に連れて行かれるのだろう、と緊張と不安で縮こまっていると、
「到着致しました」
いつの間にか何処かへ到着していたらしい。
開けられた後部座席から慌てて降りると、そこは日本を代表する高級老舗ホテル、東帝ホテルだった。
ここって……それこそ、お昼に岬さんが話題に出していたホテル……
そう一瞬思ったけど、加藤主任だとか、岬さんだとか、二人の関係がどうだとか、吹っ飛んでしまう。
「蓮様は先程到着しています」
運転手さんが私に丁寧に伝えてくれる。
"蓮様"
って、彼の事よね……?
一連の状況から考えて、私を此処へ連れて来る人物は彼しかいない。
「高嶺様ですね。お待ちしておりました。私総支配人の園山と申します。早速ですが、ご案内させていただきます」
総支配人自らが挨拶して案内してくれるなんて、恐れ多過ぎる。