蒼い情熱が導く、あなたの極上な愛に酔いしれたら

「君との結婚を弊社のPRの為、戦略的に扱います。そして事情があり、僕は一日でも早く入籍しなければならない」

「一日でも早く…」

「説明不足な点は重々承知です。勿論、無理維持はしない。今ならまだ婚姻届も破棄出来ます。ただ契約事項に承諾し厳守してくれれば少なくとも金銭面では十分な利益を保証します」


つまり利益を図るための契約結婚ってこと。
売り場に突然現れてプロポーズをしてくれたのだって契約結婚のカモフラージュなんだ。
きっと彼は従順で都合の良い妻を必要としてる。
それなら私に白羽の矢がたったことも分かる部分がある気がする。

万年筆の先を契約書に滑らせる。

乙氏名 高嶺葵


「合意に感謝します」


署名が終わると彼はニコリと微笑んだ。




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