蒼い情熱が導く、あなたの極上な愛に酔いしれたら
それから間も無くして、部屋にはシャンパンと食事が運ばれてきた。
「今夜は再会に乾杯」
シャンパングラスを傾ける。
ロマンティックと言うよりプロジェクトの成功に向けてといったような乾杯。
何時の間にか外は暗くなり、いわゆる宝石を散らばせたような夜景が一望出来る。
ハイセンスなインテリアに煌びやかな空間。
そんな場所で頂く、高級なシャンパンに有名シェフが腕を振るった料理。
目の前には、あの夜と変わらず魅惑的で美しい彼の姿。
この人の妻に私がなるなんてー…
「そんなに不安そうな表情をしないで」
「すみません…今まで本当に地味に生きてきて…頭が整理出来ていないところがあるので…」
「何も心配せずに僕に任せてくれたら良い」
「契約に基づいた結婚って事ですよね…」
「まぁ、そうだね。だけど、僕が貴女を選んだ事は事実だから」